死後2週間経過の孤独死現場における特殊清掃【埼玉県新座市】

電話でのヒアリング後、最短の日程で予定を合わせて現地調査に伺わせていただきます。8月下旬ともなれば、連日過酷な猛暑に見舞われている中、孤独死の現場ではすでに悪臭が漂っており、賃貸物件の共有部まで死臭があふれ出てしまっている状態でした。該当のお部屋までオーナー様に案内してもらい鍵解錠のご協力をいただきましたところ、室内には害虫が発生しており、特に過酷な状況を示唆しています。今回は6畳1kの間取りであったため、玄関を開けると廊下に連なってユニットバスとキッチンがあり、突き当りに部屋が確認できました。奥のお部屋で亡くなられたであろう状況が確認でき、その床には体液であろう腐敗物も確認できました。死後2週間が経過したタイミングでの孤独死発見と伺っていたため、夏場であることもあり、遺体の劣化速度も速かった事が伺えます。床下まで体液が浸潤している事を確認し、この室内をいかに原状回復させるかを検討していきます。

室内を隈なく確認し、原状回復のために必要な作業を全て洗い出した後、見積書を作成していきます。弊社からご依頼者様に提示させていただいた見積の内容は以下になります。

• 脱臭消毒
• フローリングの全面張り替え
• 床下地材の一部解体
• クロスの全面張り替え
• ご遺品の捜索
• 荷物の搬出

孤独死が発生してしまった室内を、元の状態に戻していくためには最低限必要な内容である事もご認識いただけ、上記の内容でも納得をいただく事が出来ました。

ご依頼者様による作業内容のご了承をいただいた後、賃貸物件を管理されているオーナー様に改めてご挨拶と施工内容のご報告に伺いましたところ、オーナー様からのご希望によって、床下地材の全面張り替えおよび壁面の全面張り替え、加えて水回りのリフォームを行ってほしいとのご要望を伺いました。かかる費用については一部分をオーナー様にてご負担いただけるとのご意向もあり、ご依頼者様からのご納得もいただけたため、原状回復工事の内容を追加しご契約いただく流れとなりました。

特殊清掃当日、鍵の受け渡しは管理会社オーナー様にご協力いただき、迅速な問題解決に挑みます。まず初めに行っていくのは消毒作業です。孤独死現場において、その室内に発生している影響よりも先に、近隣の方々へ迷惑の掛かってしまうニオイ対策を最優先で行っていきます。こういった死臭とも呼ばれるニオイは、想像を絶するものであり、この匂いを嗅ぎつける事でハエや害虫等を引き寄せてしまう事にもつながります。そのため、まずは室内全面に対し噴霧器を使用し万遍なく消毒を行っていきます。その後、業務用のオゾン脱臭機を使用してオゾン消毒も進めていきます。ニオイ除去についてはこの対応を1度するだけで完全に取り除けるというものではありません。この特殊清掃期間を通し繰り返し消臭作業を進めていくことで完全無臭を目指していきます。

現場の消毒・消臭作業を終えた翌日、3名体制にて現場に残されている遺品たちを整理していきます。まずはご依頼者様から依頼された遺品の捜索から始めていきます。貴重品をはじめ、故人様の思い出の品等を1点1点確認していきます。その後、その空間に残されているすべてのお品を対象に不用品として撤去していくための作業に移ります。この作業の事を残置物撤去と言い、リサイクルできるもの・廃棄処分にするもの等といったカテゴリで分類していきます。細かく延べ20種類程度に仕分けしていき、仕分けが完了した荷物を徐々に屋外のトラックへ搬出していきます。大きな生活家電はもちろん、衣類や雑貨類、ごく小さなゴミ一つも残す事なく回収していきます。孤独死が発生してしまっている室内において、残されているお品物は、細菌などの面からもできる限り処分を推奨しております。ご依頼者様の強い希望がある場合を除き適切な方法で廃棄回収を進めていきます。今回回収した遺品類は全部で8立米分となりました。回収量が多くなればなるほど、費用が高くなるという仕組みです。

室内における遺品類が全て搬出完了したタイミングで、再度消毒作業とオゾン脱臭作業に取り掛かります。1日目に引き続き2回目の作業となりますが、これでもまだ80％程度のニオイしか取りきれておりません。今回はご遺体の発見までに時間がかかったという事もあり、床下まで体液がしみ込んでしまっている状態であることから繰り返しの消毒・消臭作業が必要になります。

特殊清掃3日目。ここからは、その現場をいかに元の状態に戻していくかの作業に取り掛かります。遺体が起因となって発生してしまった汚れや劣化の部分に対して、元の状態に戻していく工事の事を原状回復工事と言います。該当箇所を一度解体し、リフォームを行っていく流れですね。まずは、床のフローリング材と、下地材を丁寧に剥がしていきます。壁面のクロスと石膏ボードの取り外しも行い、細菌繁殖とニオイの元を断つために、ここで3度目の消毒とオゾン脱臭作業も行っていきます。今回はオーナー様からのご要望で、今回は床・壁・水回り製品の総取替を行っていく流れになりましたので、1日がかりで解体作業を進めていきます。

特殊清掃4日目。ここからは4日間かけて解体した内装をリフォームし、綺麗な状態に作り上げていく作業になります。

• 床下地施工およびフローリング張り
• 壁面の石膏ボード張りとクロス張り
• シンクおよびキッチン収納の交換

特殊清掃のフルサポート関東では、こういった完全なる原状回復工事についても、特殊清掃のご依頼に合わせて対応することが可能ですので、ご依頼先を再度探していただく手間や、問題解決までにかかる時間を最小限に留める事ができます。このように、遺体起因の汚れ部分を全て取り除いていく事で、問題となっていたニオイについても完全に消臭することが出来ました。

計7日間かけて行ってきた特殊清掃および原状回復工事。繰り返し行った脱臭・消臭もあり、共有部に蔓延していたニオイも解消され、室内においても元の綺麗な状態に整える事が出来ました。作業内容については、ご依頼者様およびオーナー様にもご満足いただけ、大変スムーズな問題解決を行う事が出来ました。

管理物件での孤独死の場合には、そのオーナー様との連携がスムーズであることは欠かせません。うまく連携が取れていないと、鍵の受け渡しのご協力や、原状回復のための仕様の確認などに齟齬が発生し、せっかく行ったリフォームでは完了させることが出来ない可能性もあります。ご遺族様とオーナー様がいかに早めの段階から連携を取れるかも、特殊清掃をスムーズに行うためのポイントになります。

弊社にはご相談いただいた際にすぐに消臭・消毒を行う体制が整っており、今回の案件のようにすでに死臭や害虫発生がされてしまっている現場においても迅速な対応を行う事ができます。共有物件か一軒家かは問わず、室外にまでニオイが漏れ始めてしまっている場合には、スムーズな問題解消のためにも出来る限り早期の対応は欠かせません。

孤独死現場が、ご依頼者様のお住まいに対して近隣であるとは限りません。遠隔地にお住まいの方のご依頼でも安心していただけるように、鍵の受け渡し問題が解消できれば、作業への立ち合いは不要で対応することが可能です。特殊清掃を行っていく間の報告についても抜かりなく行い、写真付きで進捗を報告していくため、完了時にも安心できるご依頼を行っていただけます。

孤独死現場における重要な問題の一つでもある『臭い』。臭いが共用部に漏れ出て、同じ物件にお住まいの方や近隣住居の方に迷惑がかかることを最小限に防ぐために、作業時におけるドアの開閉を素早く行うことを徹底しております。遺品の搬出時も荷物が出る時以外は都度都度閉め切って作業をするなどという工夫を行っておく事で、死臭が近隣に充満してしまう事を防ぎます。また、繰り返しの消臭・脱臭は欠かさず行い、完全に無臭の空間になるまで繰り返す事で近隣の方々への不安を解消いたします。