神奈川県の特殊清掃

日本全国の人口ランキングで2位にランクインするこの神奈川県。ここに住まう人々以外にも様々な人が行き交う神奈川県では、特殊清掃とどのような接点があるでしょうか。ここでは神奈川県だからこそ考えられる特殊清掃とのつながりについて考察していきます。

神奈川県を特殊清掃とのかかわりという視点で見ていったとき、どんな点が注目するべき問題になるでしょうか。ここではその考えられる理由について解説していきます。

■一人暮らしの割合の高さ（全体の約40％程度）

神奈川県は、一人暮らしを行っている人の割合が多い県といえます。全体の約40％にも及ぶ方々が単身世帯と呼ばれる、いわゆる一人暮らしを行っている状況です。こういった一人暮らしを行っている人が増えていくと、突然起こる身体の不調時に助けを呼べる人もいなければ、気づいてくれる人もいなくなってしまうのです。普段健康に、どこにも不調を抱えていない方でも、ある日突然何らかの要因でお家の中で死んでしまう可能性があるのです。よくあるのは『ヒートショック』や『脳梗塞』でしょうか。突然発症し、短い時間で命を落としてしまうものです。この際、亡くなってしまった事に気がついてもらえない状態が長く続いてしまうとそれだけ遺体の損傷が進行します。遺体は劣化していくにつれて徐々に腐敗していき、じきにウジ虫やハエといった害虫被害を引き起こすのです。また、腐敗臭も散漫してくることから、周囲に住まう第三者によって異変に気が付き発見されるといったケースをたどる事もあります。こういった最悪の事象に、一人暮らしの方々は陥ってしまいやすいのです。

■自殺率の高さ（全国第4位）

神奈川県は全国の自殺率のランキングで4位に位置する県です。人口が多い分、やはりこういったランキングでは上位にランクインしやすいですが、それだけが理由ではありません。若者が陥りやすい、学校内での人間関係のトラブルをはじめ、親とのかかわりであったり、社会人で見れば会社でのトラブルやギャンブル・借金からのトラブル、リストラや金銭面での問題に直面することでもうどうにも解決する方法がわからず、自身の死を検討してしまうのです。人口も多く、それだけ様々な場面で思いがけないトラブルが起きているのです。

■高齢者の核家族化

神奈川県では高齢者世帯の核家族化が進行しています。神奈川県に生まれ育った子供たちは、進学や就職を機に東京など都会へ進出するタイミングで実家を離れてしまいます。その後残された夫婦で生活を行っていく中で、病気や施設への入院を機に核家族化してしまう事象が進行しているのです。こういった実家の核家族化は、特殊清掃のリスクを高めます。やむ負えず自身の両親を一人残していく場合は、頻繁に連絡を取るなどして安全の確認を行っていくといいでしょう。