孤独死は遺体が溶ける？特殊清掃の重要性とは

1.死斑ができる

心臓が止まってしまうと血液が流れなくなってしまうため、血液が重力によって地面に近い部分に溜まり肌から透けて見える血液のことを死斑と言います。そのため、地面から離れた部分の皮膚は青白くなります。

 

2.死後硬直が始まる

亡くなってから2時間ほど経つと筋肉が収縮し動かなくなるため、死後硬直が始まります。死後硬直は頭部から始まり体中に広がっていき、10時間～12時間ほどでピークに達します。

 

3.内臓から腐敗が始まる

死後硬直がピークを迎えると、消化器系の胃や腸から腐敗が始まります。放置する時が長くなるほど腸内の細菌や胃液によって融解が進み体全体が腐敗していきます。

 

4.腐敗によるガスで体液や血液が出る

腐敗が進むとガスが発生してしまい、体が膨張し破裂してしまい体液や血液が体の外に出てしまいます。

 

5.害虫が発生する

ニオイがひどくなると害虫が寄ってきてしまいます。害虫は近隣へ悪影響を及ぼすため、適切に処理する必要があります。

 

最初にご遺体が体内の細菌や微生物によって腐敗する、と書きましたが細かく分けるとこのような過程で腐敗が進んでいきます。腐敗が始まる前に発見できれば被害は少なく済みますが、遅れてしまうと遺体の状態も悪くなり室内を汚してしまいます。また、気温や湿度が高い夏は腐敗が進みやすいためエアコンを使用していない部屋で亡くなってしまった場合は、短時間でも遺体が損傷してしまいます。

腐敗してしまった遺体はもろく、少し動かしただけでも部屋を汚してしまいます。フローリングや畳を汚してしまったり腐敗臭も部屋にしみついてしまいます。また何日も発見されなかった場合、床板を通過して階下まで汚してしまったり、部屋の外にも悪臭が漂ってしまいます。市販の洗剤や消臭剤では取り切れないため、特殊清掃を依頼する必要があります。

・消毒

腐敗してしまった遺体は様々なウイルスや病原菌が存在しているため、安全に作業ができるようにするためにもしっかりと除菌をします。害虫の体にウイルスなどが付着し動き回ると室内全体に広がってしまうため、遺体の周りだけでなく部屋全体を除菌します。

 

・消臭

空気清浄機や通常の消臭剤では取り除くことができないため、特殊清掃業者ごとに調合された特殊な薬剤を使用してニオイを取り除いていきます。ニオイが外に漏れないように原則ドアや窓は締め切って作業をします。

 

・汚染されたものの処理

体液や血液などで汚れた床や壁紙などを清掃していきます。亡くなられてから時間が経つほど範囲も広がってくるため、汚れや場所に合った薬品を使用して隅々までキレイにします。腐敗した遺体の下や周辺は特に汚染皿ているため念入りに行います。

 

・害虫駆除

ゴミ屋敷であったり、亡くなってから時間が経ってしまった場合には害虫駆除も必要です。例えば、ハエの幼虫であるウジ虫が湧いてしまうと、病原菌をまき散らしてしまい病気の原因になります。小さいため、少しの隙間でも屋内に侵入できてしまい、1匹でも外に逃がしてしまうと近隣の方に迷惑をかけてしまうため、専門家にきちんと駆除してもらいましょう。

 

・遺品整理

孤独死してしまった場合、部屋のみならず遺品にも汚れや死臭が付いてしまうケースが少なくありません。特殊清掃業者は遺品整理も同時に行ってくれることが多いため、効率よく遺品整理をすることができます。また、別々で依頼するよりも費用を抑えることもできます。

 

・原状回復工事

血液や体液が床や壁紙に浸透し、特殊清掃では取り切れないようなシミになってしまった場合は、フローリングや壁紙を取り換えるなどの原状回復工事が必要となります。管理会社によっては内装に指定がある場合があるため、事前に確認しておきましょう。

近隣の方や周囲の方と関わりが少ない高齢者や一人暮らしの方の場合、孤独死を早期に発見することが難しいため腐敗が進み遺体が溶ける、といった事態になることも少なくありません。その際に付いてしまった通常の清掃では落としきれない汚れやニオイでも、特殊清掃であればキレイにすることができます。特殊清掃はスピードと安心さが重要であるため、信頼できる業者に依頼しましょう。